RESEARCH & VERIFICATION POLICY

研究・分析と
検証の方針

「不思議」を頭ごなしに信じるのでも、否定するのでもなく、公開データと研究資料を使って実際に測り、確かめる。そのために、何を参照し、どこまで検証でき、何が言えないのかをレポート内で分けて記録します。

扱うデータと資料

公的機関・国際研究機関が公開する観測データ、大学や研究機関の論文・資料を中心に参照します。テーマに応じて、恒星カタログや歴史資料など、検証対象と直接関係する資料を選びます。

出典が確認できない情報と、観測・計算に利用したデータは同じ根拠として扱いません。

観測データの取得元

実際に取得・蓄積している主なデータと、その提供機関は次のとおりです。取得できる期間はデータの種類ごとに異なるため、その範囲もあわせて記載します。

データ提供機関取得範囲
太陽黒点数 SILSO(ベルギー王立天文台 世界データセンター)/NOAA 1876年〜(日次)
太陽フレア(X線フラックス)・地磁気Kp指数・磁気嵐スケール NOAA SWPC(アメリカ海洋大気庁 宇宙天気予報センター) 2026年〜(日次)
地震(世界・規模別) USGS(アメリカ地質調査所)ほか18の地震カタログ、気象庁 1877年〜
月相・朔望 met.no(ノルウェー気象研究所)/USNO(アメリカ海軍天文台) 1876年〜2026年
惑星の位置・逆行 NASA JPL Horizons(ジェット推進研究所 天体暦システム) 計算により任意の時点
台風・気象警報 気象庁 随時
地球接近天体(NEO) NASA JPL 地球近傍天体研究センター 随時
量子乱数 ANU Quantum Random Numbers(オーストラリア国立大学)ほか 2026年〜(分・時・日単位)
ニュース感情指数 GDELT Project(グローバル・データベース・オブ・イベンツ) 2026年〜(日次)
海洋生物の漂着・座礁記録 国立科学博物館ほか公開情報 随時

黒点・地震・月相のように長期のアーカイブが存在するものと、日次の詳細な観測値のように蓄積を始めて間もないものがあります。検証で扱える期間はデータごとに異なるため、各レポートで対象期間を明記します。

観測値の尺度と読み方

同じ「強い・弱い」でも、指標ごとに尺度の作りが違います。数値を比較する際に前提となる定義を、次のとおり整理しています。

太陽フレアのクラス(A・B・C・M・X)

GOES衛星が観測する波長1〜8Åの軟X線フラックス(W/m²)を、対数目盛で区分したものです。1クラス上がるごとに10倍になります。C1.0が10-6、M1.0が10-5、X1.0が10-4 W/m²。同じクラス内の数字は線形で、X2はX1の2倍です。したがって「C2.3」と「M1.0」の差は、見た目の数字以上に大きくなります。

地磁気Kp指数と磁気嵐スケール(G)

世界13か所の地磁気観測所の記録から、3時間ごとに0〜9の準対数目盛で算出される指数です。NOAAの磁気嵐スケールは、Kp5=G1(軽度)から始まり、Kp6=G2、Kp7=G3、Kp8=G4、Kp9=G5(極めて強い)に対応します。Kp4以下は「嵐」に分類されず、当サイトの表記ではG0としています。

太陽黒点数

SILSOが管理する国際黒点数を用います。この指標は2015年に version 2.0 として全期間が再較正されており、それ以前に発表された古い数値とは値が異なります。長期の比較を行う際は、同一バージョンの系列で揃える必要があります。

地震カタログ

USGSのANSS統合カタログを軸に、18の観測網・カタログ由来のデータが含まれます。マグニチュードは種別(Mw、mb、Msなど)によって算出方法が異なり、単純比較できない場合があります。また観測網の密度は時代とともに変化しているため、古い年代ほど小規模な地震が記録から漏れます。件数の増減をそのまま活動の増減として読むことはしません。

天体暦

惑星・月の位置は、NASA JPLが公開する数値暦(DE440/DE441系列)に基づく計算値を用います。観測ではなく計算のため、有効範囲内であれば過去にも未来にも同じ精度で求められます。

占術の体系と、その扱い方

占いは体系ごとに、暦の基準・計算方法・前提が異なります。「占い」とひとまとめにせず、どの体系の、どの計算に基づく主張なのかを特定したうえで検証します。以下は、当サイトで扱う主な体系と、その計算上の仕組みです。

インド占星術(ジョーティシュ)

恒星を基準とするサイデリアル(恒星)黄道帯を用います。地球の歳差運動により春分点は約2万6千年の周期で黄道上を移動しますが、インド占星術はこのずれを補正せず、実際の星座の位置を基準とします。

トロピカル黄道帯とのずれの量をアヤナムシャと呼び、現在は約24度、年におよそ50秒角ずつ増加します。算出方式は一つではなく、インド政府が標準として採用するラヒリ(チトラパクシャ)のほか、ラーマン、クリシュナムルティ(KP)、フェイガン=ブラッドリーなどがあり、方式間で数十分角の差が生じます。どの方式を採るかで、境界付近の天体は所属する星座が変わります。

黄道を27等分したナクシャトラ(月宿)を用いる点が特徴で、1宿は13度20分。さらに各宿を4分割したパダ(1つ3度20分)まで細分します。月がどの宿にあるかが、出生図の解釈と時期判断の起点になります。

時期を区切るダシャー体系では、ヴィムショッタリ・ダシャーが最も広く使われます。全周期は120年で、9つの支配星に対して ケートゥ7年・金星20年・太陽6年・月10年・火星7年・ラーフ18年・木星16年・土星19年・水星17年 と固定配分されています。出生時の月のナクシャトラ内の位置から、最初の期間の残り年数を算出して開始点を決めます。

なおラーフ・ケートゥは実体のある天体ではなく、月の軌道と黄道が交わる交点(昇交点・降交点)という計算上の点です。位置は天文計算で厳密に求められます。

西洋占星術

トロピカル(回帰)黄道帯を用い、春分点を牡羊座0度と定義します。実際の星座の位置ではなく、季節(太陽と地球の位置関係)を基準とする体系です。このため同じ生年月日でも、インド占星術とは太陽星座が1つずれることが一般的に起こります。どちらかが誤っているのではなく、基準の取り方が異なります。

解釈には10天体(太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星)の位置と、天体間の角度関係であるアスペクトを用います。主要なアスペクトは 0度(合)・60度(セクスタイル)・90度(スクエア)・120度(トライン)・180度(オポジション)で、厳密に一致しなくても一定の許容範囲(オーブ)内であれば成立と見なします。オーブの取り方に統一規格はなく、流派により数度の幅があります。

出生時刻と出生地から天球を12分割するハウスには、プラシーダス、コッホ、イコール、ホールサイン、キャンパナス、レジオモンタヌスなど複数の方式があります。方式によって天体が属するハウスが変わるため、解釈も変わります。特にプラシーダスなど時間分割系の方式は、極圏に近い高緯度では数学的に破綻して算出できません

また出生時刻が数分ずれるだけでアセンダント(上昇点)とハウス境界が動くため、出生時刻の精度が結果に直結します。

東洋の暦法(干支・九星・六曜・二十八宿)

十干(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)と十二支(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)を順に組み合わせると60通りの周期になり、これが干支です。年・月・日・時それぞれに干支を割り当て、計8文字で表したものが四柱推命の「八字」です。

重要な点として、これらの区切りは暦の上の元日や月初ではなく、太陽黄経で定義される二十四節気に従います。二十四節気は太陽黄経を15度ごとに区切ったもので、年の切り替わりは太陽黄経315度の立春。月の切り替わりも各節気(立春・啓蟄・清明…)の瞬間です。1月生まれや2月上旬生まれは、四柱推命上は前年の干支になる場合があり、ここは天文計算が必要な部分です。

九星気学は一白水星から九紫火星までの九つを年・月・日に配当し、方位の吉凶を判断します。年の九星は9年周期で逆行し、こちらも立春を境に切り替わります。

六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)は、旧暦の月と日を足して6で割った余りで機械的に決まります。天体観測とは独立した規則であり、旧暦の朔日で必ずリセットされるため、月をまたぐと連続性が途切れます。日本で広まったのは明治以降とされます。

二十八宿は天球を月の運行に沿って28分割したもので、インドのナクシャトラ(27宿)と起源を共有します。宿の数と区切り方が異なるため、両者は単純に対応しません。

検証にあたっての姿勢

これらの体系が示す暦や天体位置の計算そのものは、天文学の計算と一致するかどうかを確かめられます。実際、月齢・惑星位置・節気・干支は計算により正確に再現でき、過去にも未来にも遡れます。

一方で、「その配置が人間や社会に影響を与えるか」という部分は、計算では答えが出ません。この点については、観測データとの相関を統計的に調べることはできても、相関が見つかったことをそのまま因果関係の証明として扱いません。占術の解釈の当否を判定することも、当サイトの目的ではありません。

研究・分析の進め方

  1. 問いを定める何を確かめたいのか、判定に必要な条件を整理します。
  2. 根拠を集める公開データ、論文、研究資料を確認し、利用できる範囲を確かめます。
  3. 測る・比べるAIと計算システムを使い、仮説と観測値・計算結果を比較します。
  4. 結論と限界を分ける結果から言えることと、データ不足や不確かさのため言えないことを分けます。
  5. 方法と出典を残す再確認できるよう、用いた方法、検証内容、参照資料を本文に記録します。

AIを使う範囲

AIは、資料を横断して問いを整理し、仮説を立て、データを比較・分析するために利用します。AIの回答そのものを観測データや研究資料の代わりにはせず、根拠として参照した公開データや資料をレポート本文に示します。

検証範囲と限界

計算モデルの有効範囲、観測値の不確かさ、未対応のデータがある場合は、その範囲を明記します。表示上の便宜による図と、測定されたデータも区別します。結果が示していない因果関係や、計算できない現象まで断定しません。

出典・訂正・更新

参照した論文、正誤表、データカタログなどは、レポート本文の「出典」に記録します。訂正や新しい検証結果を反映した場合は、詳細ページに更新日を表示します。

公開中の「5300年前、日本から南十字星が見えていた」では、長期歳差モデル、論文の正誤表、ヒッパルコス星表を示し、「方法と検証」「この計算で言えないこと」「出典」を分けて掲載しています。

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